top of page

じゅりっこの歴史⑦第六章『限界+絶望=チャンス』

更新日:2022年3月8日


第五章までで、じゅりっこがどのようにダンスが上達していくのか見ていただきました。


ここからは、二十歳以降の5年間です。



 


専門学校を卒業した彼女は焦っていました。

SNSで目に入ってくるのは、大学生活を謳歌したり、就職して安定した生活を送るかつての同級生たち。


一方、自分が身を置くのは、需要と供給のバランスが完全に破綻している不安定な業界。


ほんのひとにぎりの、運と実力を持った人だけが生き残れる世界。


そんな現実を目の当たりにして、ひとりずつ去っていく専門学校の同期達。


わかってはいたけど、甘い世界ではありませんでした。



それでも、自分は絶対にこの世界で生きていきたい



そう自分に誓っていた彼女は、やれることはなんでもやりました。


バックダンサー、アイドルの振付作成・指導、ライブハウスのゲスト出演、これらは交通費が自費のため赤字になったり、時給換算100円以下になるお仕事です。


通っているダンススタジオのレッスン代やの発表会の参加費、そして参加の代償として売り切らなければならないチケットノルマ、出演のたびに買い替える衣装代・・・。


飲食店のアルバイトでなんとか食いつなぎながらも、毎月のクレジットカードの請求に怯え、親に借金をする生活でした。


紹介してもらったダンスインストラクターの仕事はついに週14本にまで増え、空き時間はすべてレッスンの準備に消えていきます。

さらには、寝る時間を削ってライブ配信アプリで活動していたため、慢性的な睡眠不足と過労状態でした。


(※余談ですが、当時のライブ配信アプリはいまほど盛り上がっていませんでした。それでも同時視聴者1000人越え・投げ銭数十万円の人気ライバーだったんです。showroom社と事務所に9割抜かれるので手取りはほとんどありませんが・・・。)



そんな状態でも、やりたいことに果敢に挑戦しました。特に、二十歳で企画した自主公演は彼女にとって貴重な経験となります。

ライブハウスを貸し切って、ダンサーや運営スタッフを雇い、振付や構成、チケット販売、すべて自分でやりきった自主公演は、二部ともほぼ満員となりました。




ほぼ満員にはなりましたが、お金の知識も無い二十歳の初めての挑戦です。収支的にはぎりぎり赤字を免れた程度でした。何か月もかけて準備してきたイベントだったので、稼働時間を考えると時給換算10円くらいです。


金銭的に苦しい状況は変わらず、飲食店でアルバイトをしながら、ダンス関連のもらえる仕事はすべて引き受ける生活を続けることになります。




そんな生活を続けていたせいで、当時のじゅりっこは度々気絶し、記憶をなくすようになります。


疲れ果てて倒れるように眠ったかと思うと、うなされながら夢遊病のように家中を徘徊し始めたり、

深夜にトイレに行ったきり自分のベッドまで帰れず廊下で倒れたり。

入浴中に寝てしまい、3時間後に震えながら出てきたり。

外出先のスタジオ更衣室で気絶したこともありました。



当然、仕事のクオリティも下がっていきます。振付を作る時間すら取れなくなり、朝起きてから電車の中で急いで振付を考える始末です。いまのじゅりっこからは信じられないくらいひどいレッスンを行うときもありました。



あのまま続けていたら、まず確実に過労で死んでいたでしょう。


自分が本当はなにをしたいのか、どうなりたいのか、一度立ち止まって考えるタイミングでした。


当時のじゅりっこが出した答えは、

「喜んでもらえるようなことをしたい」

「自分のダンスをもっとたくさんの人に見てほしい」

こんな感じだったと思います。


それまでずっと対面で見てもらうことにこだわっていた彼女ですが、YouTubeをはじめとする動画公開でのパフォーマンスに切り替えることを決めました。

いままではライブハウスやバックダンサーで、多くてもせいぜい100人程度の観客でしたが、動画を公開すればいままでの数十倍、数百倍、うまくいけば何十万人もの人に見てもらうことができます。



動画投稿に力を入れる覚悟を決めたじゅりっこは、利益にならない仕事と、ダンスに関係のない仕事をすべて辞めました。

さらに、3万円以上もする動画編集ソフトを購入し、まともに触ったこともないPCの操作を勉強し、新しいことにどんどん挑戦していきます。

一時的に収入は大きく減り、初期投資もかさみましたが、精神的にも体力的にも回復しているのは誰の目にも明らかでした。


不要なものを捨てると、必要なものが入ってくるものです。



心身ともに回復し、

2020年、これから本格的にYouTubeで頑張るぞ!


そんな決意をした矢先、

訪れたのは新型コロナウイルスによるパンデミック・・・。


唯一続けていたお仕事(ダンスインストラクター)は、緊急事態宣言の影響を受けすべてキャンセル。再開のめども立たず、しばらく収入ゼロになるのは明白。


三か月間、完全無収入の無職確定。当然、貯金もありません。


普通の人なら絶望して諦めてしまうような逆境・・・。



しかし、当の本人は、

「家から出なくてもいいなら好きなことだけできるじゃん!」と開き直り、毎日家の中で好き勝手に踊り、好き勝手に振付をつくり、実に楽しそうにしていました。


時間と体力に余裕ができたことで、本当に好きなこと・必要なことに全力で取り組めるようになったのです。



状況的には確かに絶望的だったけど、それは自分の外側の話だからどうしようもないです。そんなことより、ずっとおうちに居られて好きなことを好きなだけできてラッキーだと考えていました。どんな状況でも、自分がどう感じるかがすべてです。


どんなときも自分の気持ちに正面から向かい合ってきた彼女らしい、素直な考え方です。


 

これで、現在までのじゅりっこの歴史が完結となります。



アイスバーグ理論をご存じですか?



詳細はこちら:引用元



動画やSNSで見えている華やかな姿は、じゅりっこのごく一部でしかありません。


見えていない部分で、大変な思いをたくさんしています。


膨大な量の練習は当然きつかったでしょう。

金銭的にも大変なときがありました。

多忙なため付き合いが悪く、友人もほとんどいません。

時間もお金もなかったので、華やかな旅行をした経験はほとんどありません。


しかし彼女は、それらを不幸だとは考えていません。


好きなことをするために必要なことだったと考えています。


嫌なことは続かない。だってやりたくないもん。自分はただ好きなことをやってきただけ。そのためなら大変でも頑張れる。


これから先も、好きなことを続けていくじゅりっこの歴史は続きます。


第一部、25歳までの歴史はここで終了です。

このあとの第二部も楽しく、波乱の歴史を書き残せるよう、挑戦を続けていきます。



これからも応援よろしくお願いします!


閲覧数:409回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page